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ばね振り子の単振動の仕組みを解説|復元力・周期の求め方

単振動とは何か?|ばねの運動との関係を理解しよう

単振動とは、「ある1点(振動中心)に戻ろうとする力」が常にはたらき、往復運動をする運動のことです。
ばねにつながれた物体が左右に揺れる運動は、まさに単振動の代表例です。

物体が右にずれれば左へ、左にずれれば右へ戻ろうとする力がはたらきます。この「戻そうとする力」を 復元力 といいます。

ばね振り子では、この復元力が運動全体を決めています。


目次

単振動=復元力が中心に戻そうとする運動

単振動の条件は、復元力が

[
F = -K(x – x(0))
]

という形で表されることです。

復元力 F=−K(x−x(0)) の意味

  • (x):物体の位置
  • (x(0)):つり合いの位置(振動中心)
  • (K):正の定数(ばね定数k とは限らない)

物体が中心から右にずれれば(x > x(0))、
(-K(x-x(0))) は 負の値 になり、
左向きに力がはたらく ことになります。

逆に、左にずれれば(x < x(0))、
(-K(x-x(0))) は 正の値 になり、
右向きに力がはたらく わけです。

つまりこの式は、

中心から離れた方向とは逆向きの力がはたらく

という単振動の本質を示しています。


「-」がつく理由

マイナスは「常に中心へ引き戻す方向」を表します。

  • x が右へずれたら → 左へ戻す
  • x が左へずれたら → 右へ戻す

この「進行方向とは逆向きの力」こそが単振動を生みます。


x(0) が振動中心(つり合いの位置)

つり合いの位置とは、
力が0になり、物体が止まっていられる位置 のことです。

ばね振り子では、

  • 水平方向なら、ばねの弾く力=左・右がつり合う点
  • 鉛直方向なら、ばねの力=重力がつり合う点

を基準として単振動を扱います。

高校物理では、必ず このつり合い位置を基準にして考える ことが重要です。


Kは正の定数(ばね定数 k とは異なる一般式)

ばね振り子では
[
F = -kx
]
がよく使われます(kは小文字)が、単振動を表すより一般的な書き方は

[
F = -K(x – x(0))
]

となります(Kは大文字)。


ばね振り子のモデル

ばね振り子を理解するには、「どの力が運動を決めているか」を整理することが大切です。


水平ばね振り子の例

机の上に置かれた物体にばねをつないで、左右に揺らす状況を考えます。

この時、物体には

  • ばねの力(復元力)
  • 机からの支持力
  • 重力

がはたらきますが、水平方向の運動には、ばねの復元力だけが関係します。


つり合いの位置の決定方法

水平ばねでは、つり合いの位置は

ばねが自然長の位置
=ばねの力が0になる位置

です。

この位置から右に伸ばして離すと左に、左に縮めて離すと右に戻り、単振動が始まります。


外力がゼロで、復元力のみが働く状況を考える

単振動を扱うときは、
「外から押したり引いたりする力はない」
という状況を仮定します。

つまり、

  • 摩擦なし
  • 空気抵抗なし
  • 他の力なし

という理想化が前提です。

これにより、
復元力だけで運動が決まる → 単振動になる
というシンプルで重要な物理モデルになります。


単振動における速さの変化

単振動における速さでは、まず次の2点を覚えます。

単振動の速さ
  • 振動中心で速さ最大
  • 両端で速さ0

最大速度の式 v(max)=Aω

単振動では、最大速度は次の式で表せます。

[
v_{\text{max}} = A\omega
]

  • A … 振幅(中心から端までの距離)
  • ω … 角振動数



単振動における加速度の特徴

単振動では、速さだけでなく 加速度も位置によって大きく変わります。
特に重要なのは、

  • 振動中心で加速度は0
  • 両端で加速度の大きさが最大

という2点です。


● 向きは中心への方向

両端では速さが0となり、次の瞬間には中心方向へ戻ろうとします。

  • 右端(x > x(0))では → 左向き
  • 左端(x < x(0))では → 右向き

つまり、加速度の向きは必ず 振動中心方向 です。

これは「復元力は中心に戻す力」という単振動の本質に対応しています。


加速度の一般式 a=−ω²(x−x(0)) の意味

● xが右にずれると負方向(左向き)に加速度

もし x が振動中心より右にあるなら、

[
x – x(0) > 0
]

なので、

[
a = -\omega^2(正) = 負
]

つまり、左向き に加速度がはたらきます。

逆に、左にずれれば加速度は正(右向き)になります。


では、周期の部分を書いていきます。
「なぜ T=2π√(m/K) になるのか」を、式変形の流れがハッキリ見えるように丁寧に説明します。


周期の求め方|式の導きまで丁寧に解説

単振動の周期は、公式を暗記するだけ ではテストで応用がききません。
「どこから出てきた式なのか」が分かると、忘れにくくなり、応用問題にも強くなります。

ここでは、次のような流れで周期の公式を導きます。

  • 復元力の式を書く
  • 運動方程式(F=ma)と結びつける
  • 一般的な単振動の式 a=−ω²(x−x(0)) と比べる
  • 角振動数 ω から周期 T を求める

① 復元力の式 F=−K(x−x(0))

まず、単振動の条件となる復元力の式を書きます。

[
F = -K(x – x(0))
]

  • (x):物体の位置
  • (x(0)):つり合いの位置(振動中心)
  • (K):正の定数(ばねの「硬さ」を表す)

この式は、

中心から右にずれたら左向き、
左にずれたら右向きの力がはたらく

という「戻そうとする力(復元力)」を表しています。


② 運動方程式 ma=−K(x−x(0))

力が分かったら、次は運動方程式を使います。
力と運動の関係は、ニュートンの運動方程式

[
F = ma
]

で結ばれています。

先ほどの復元力の式を F に入れると、

[
ma = -K(x – x(0))
]

両辺を m で割ると、加速度 a が求まります。

[
a = -\frac{K}{m}(x – x(0))
]

ここまでで、

  • 加速度は位置 x に比例する
  • ただし向きは常に中心方向(マイナス)

という、単振動らしい形が見えてきます。


③ a=−ω²(x−x(0)) を比較して K=mω² とわかる

単振動の加速度は、一般に

[
a = -\omega^2(x – x(0))
]

と書けることを学びました。

さきほど運動方程式から求めた

[
a = -\frac{K}{m}(x – x(0))
]

と比べると、
どちらも「−(定数)×(x−x(0))」という同じ形をしています。

したがって、

[
\frac{K}{m} = \omega^2
]

と対応させることができます。

これを整理すると、

[
\boxed{K = m\omega^2}
]

あるいは

[
\boxed{\omega = \sqrt{\frac{K}{m}}}
]

という関係式が得られます。

ここでのポイントは、

「単振動の一般式」と「運動方程式から出た式」を係数比較しているだけ

ということです。難しい計算はしていません。


④ ω=√(K/m) を周期公式 T に変換

単振動では、周期 T と角振動数 ω の間に

[
2\pi = \omega T
]

という関係があります。

これは、

  • 角速度 ω で1周する時間が周期 T
  • 1周の角度は 2π [rad]

という円運動の考え方から来ていますが、ここでは関係式として覚えておけばOKです。

この式を T について解くと、

[
T = \frac{2\pi}{\omega}
]

さらに、先ほど求めた

[
\omega = \sqrt{\frac{K}{m}}
]

を代入します。

[
T = \frac{2\pi}{\sqrt{K/m}}
]

分母を整理すると、

[
\sqrt{\frac{K}{m}} = \frac{\sqrt{K}}{\sqrt{m}}
]

なので、

[
T = 2\pi \cdot \frac{\sqrt{m}}{\sqrt{K}}
]

[
\boxed{T = 2\pi \sqrt{\frac{m}{K}}}
]

これが、ばねの単振動でよく使う周期の公式です。


● 公式の「中身」を理解しておこう

[
T = 2\pi \sqrt{\frac{m}{K}}
]

から、

  • 質量 m が大きいほど周期が長くなる(重いほどゆっくり揺れる)
  • K が大きいほど周期が短くなる(硬いばねほど速く揺れる)

という物理的な意味も読み取れます。

単に公式を丸暗記するのではなく、

F = −K(x−x(0)) → ma = −K(x−x(0)) → a = −ω²(x−x(0)) → T

と、式の流れ全体を頭の中でたどれるようにしておくと、
記憶にも残りやすく、計算ミスにも気づきやすくなります。


以下、記事の締めとして使える H2:単振動のまとめ の本文を書きます。
読者が「試験に出るポイントだけ一気に復習できる」ように、シンプルで要点のまとまった文章にしています。


単振動のまとめ|試験でよく出るポイント

単振動は、公式を丸暗記するだけでなく、運動のイメージ がしっかりつかめるかどうかで得点が大きく変わる分野です。
ここでは、本記事で学んだ内容を試験で使える形に整理しておきます。


● 復元力=中心に戻す力

単振動の本質は、
中心(つり合いの位置)に戻そうとする力 がはたらくことです。

この力は

[
F = -K(x – x(0))
]

で表され、

  • 中心より右にずれたら左向き
  • 左にずれたら右向き

というように、つねに中心に戻る方向 へ働きます。
この「マイナス」の意味を理解しておくことが重要です。


● 最大速度は中心、最大加速度は端(折り返し点)

単振動では、位置によって速度と加速度が決まります。

最大速度
[
v_{\text{max}} = A\omega
]
振動中心 で最も速くなる
(位置エネルギーが最小、運動エネルギーが最大)

最大加速度
[
|a_{\text{max}}| = A\omega^2
]
両端(振幅) で最大
(復元力が最大、折り返し点)

この「速度の最大と加速度の最大が一致しない」という性質は、試験で頻出です。


● 周期公式 T=2π√(m/k)

単振動の周期は

[
\boxed{T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}}}
]

で表されます。

  • 重いおもりほどゆっくり揺れる(周期が長くなる)
  • かたいばねほど速く揺れる(周期が短くなる)

という、物理的にも納得しやすい結果になっています。


● 鉛直ばねでも周期は同じ

鉛直ばね振り子は重力 mg が関わるため複雑に見えますが、
つり合い位置を基準に考え直すと水平と同じ単振動になります。

よって周期は、

[
T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}}
]

水平ばねと全く同じ です。

重力の分は「つり合い位置のズレ」として処理され、周期には影響しません。


【まとめ】

  • 復元力は中心へ戻す力
  • 中心で速度最大、端で加速度最大
  • 周期 (T = 2\pi\sqrt{m/k})
  • 鉛直ばねでも周期は同じ
  • グラフの関係(位置→速度→加速度)を押さえると試験に強い

単振動の問題は、公式だけでなく 運動全体のイメージ をつかむことが何より大切です。
この記事の内容を何度か見直しながら、ぜひ図を描いて確認してみてください。


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