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硫化鉄とは?|鉄と硫黄が反応
硫化鉄の化学反応式
中学校の理科では、鉄と硫黄を混ぜて加熱すると硫化鉄(FeS)ができる実験を学びます。
このとき、ただ「鉄と硫黄がくっついた」わけではなく、化学反応によってまったく新しい物質ができています。
鉄(Fe)と硫黄(S)を混ぜて強く加熱すると、黒い固体の**硫化鉄(FeS)**ができます。
この反応を化学反応式で表すと、次のようになります。
Fe+S→FeS
- Fe:鉄(銀白色の金属)
- S:硫黄(黄色の非金属)
- FeS:硫化鉄(黒色の固体、金属ではない)
👉 ここで大事なのは、「鉄(灰色)+硫黄(黄色)」が反応して「黒色の別の物質」になることです。
つまり、化合(2種類の物質が結びついて新しい物質ができる化学変化)の代表例ですね。
硫化鉄の作り方(実験方法)
- 試験管に鉄と硫黄の混合物を入れる
- ガスバーナーで混合物の上部を加熱する
- 上部が赤くなったらガスバーナーの火を消す
塩酸で硫化鉄と鉄の違いを調べる
鉄と硫黄を加熱してできた硫化鉄(FeS)は、見た目が黒い固体になります。
でも「ただ混ざっただけ」ではないことをどうやって確かめるのでしょうか?
ここでは、塩酸に入れたときの反応や発生する気体の性質を調べてみましょう。
鉄を塩酸に入れたとき
鉄を塩酸に入れると水素が発生します。
Fe+2HCl→FeCl2+H2
硫化鉄を塩酸に入れたとき
硫化鉄を塩酸に入れると硫化水素が発生します。
FeS+2HCl→FeCl2+H2S
硫化水素のにおいと特徴
硫化鉄と塩酸を反応させると、**硫化水素(H₂S)**という気体が出ます。
この気体には次のような特徴があります。
- におい:腐った卵のような強烈なにおい(腐卵臭)
- 色:無色
- 水に少し溶ける(溶けると弱い酸性を示す)
- 危険性:毒性がある
磁石で硫化鉄と鉄の違いを調べる
磁石につくかどうかで、鉄と硫化鉄を見分けることもできます。
- 鉄→磁石につく
- 硫化鉄→磁石につかない
硫化鉄の性質をまとめよう
鉄と硫黄を加熱してできた硫化鉄(FeS)は、もとの鉄や硫黄とはまったくちがう性質をもっています。ここでは、色・磁石との関係・酸との反応について整理してみましょう。
- 硫化鉄は黒色の固体
- 塩酸と反応すると硫化水素(腐卵臭)が発生
- 磁石につかない